4月下旬まで楽しめる桜の名所「吉野山」の見どころを徹底ガイド
こんにちは!神社入門ガイドのyoshikiです🌏
「大和アルプス」と呼ばれるほど美しい大峰(おおみね)山の北端
約8kmに連なる山稜(さんりょう)には
3万本にも及ぶシロヤマザクラが咲き乱れる桜の名所があるのをご存知でしょうか?。
古くは花の名所とも謳われ
「日本さくら名所100選」にも選定されていた
吉野山は、地域ごとに下千本・中千本・上千本・奥千本と区切られており
4月上旬から下旬にかけて、桜を楽しむことができる魅力的なスポット🌸
関西のお花見スポットは、そろそろ散り際となっておりますが
吉野山の桜はまだまだ楽しめそうです。
そこで今回は、4月下旬まで楽しめる桜の名所『吉野山』の見どころを徹底ガイド!
限られた時間でも、吉野山をゆっくり堪能して頂けるよう
「下千本〜上千本」まで、区間ごとの観光ポイントをわかりやすく解説していきます。
「まだまだ関西の桜を楽しみたい!」
という方は、ぜひ最後までご覧ください。
下千本周辺の見どころ
下千本は、4月初旬から中旬にシロヤマザクラの見頃を迎えるお花見スポット🌸
観光スポットへ向かうまでの道中にも展望所があり
ピーク時は一目千本の桜を楽しめるでしょう。
お花見シーズンに吉野山を巡る際は、基本的に徒歩で移動することになります。
綺麗に整備されていますが、道中は山のように険しいので動きやすい格好がオススメ!
下千本から上千本までは、大体片道1時間半くらい歩くものと想定して下さい。
交通手段は
●下千本の観光駐車場に車を停める
個人的には、以上の二択かなぁーと思います。
シーズン中のメインストリート(中千本辺り)は、歩行者天国となっていて通れませんからね。
もちろん上千本まで車で行くことも可能ですが、ほとんどが一方通行。
人が行き交う狭い道を運転することになるので
かなり神経を使いますし、相当時間も掛かるのでオススメしません。
ちなみに下千本の観光駐車場も、シーズン中はどえらい人です(笑)
筆者は舐めプして日曜日の11時過ぎに伺ったのですが、200台近くある駐車スペースがパンパンに埋まっていました。
運良く一台空いていて、停められたのですが...
受付のお父さんに
「お兄ちゃん運良かったなーホンマやったら朝6時半に来な停めれんで?」
って言われました(笑)
土日祝の観光(特に4月中)は、出来れば早朝に訪れた方が良いかもしれません。
観光客を迎え入れる大鳥居
歩行者天国の中でも一際目立った「銅の鳥居」は、高さ約7.5m
銅の神明鳥居としては、日本三大鳥居にも数えられるという国の重要文化財です。
和歌山県の熊野三山など、霊場同士を結ぶ「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」として
そして、山にこもって修行を行う修験道の信仰が、現在でも残る貴重な場所でもあります。
ちなみに銅の鳥居の正式名称は「発心門」
俗界を離れ、修行を決心するための最初の門と言われています。
吉野山の観光スポットを巡る前には、ケガレを祓う目的でぜひ一礼してみて下さいね
日本最大の秘仏を安置する寺院
「銅の鳥居」を少し進んだところにある階段を登れば、高さ34mにも及ぶ大きな建物が見えてきました。
修験道の開祖"役行者(えんのぎょうじゃ)"によって建てられた『金峯山寺(きんぷせんじ)』の本堂です。
木造の仏堂としては、奈良の大仏を祀る東大寺に次ぐ大きさなんだとか。
本尊は
●蔵王権現(ざおうごんげん)
天神地祇(てんじんちぎ)すべての力を包括しているという
インドや中国に起源を持たない日本独自の仏様です。
●釈迦如来
●弥勒(みろく)菩薩
以上、三仏が変化した姿が蔵王権現だと伝えれれており
本堂には、高さ7mにも及ぶ蔵王権現が三体祀られています。
修験道の起こりも、役行者が山桜の木に蔵王権現を刻み祀ったからで
吉野山にたくさん桜が植えられているのも、山岳信仰によるものでしょう。
ちなみに三体の蔵王権現は日本最大規模の秘仏であり、残念ながら普段はその姿を拝見することができません。
ただし、令和4年3月26日〜5月8日までは特別ご開帳として秘仏を拝める機会があります。
タイミングが合えば、ぜひ大迫力の秘仏をご覧になってみてはいかがでしょうか?
【拝観料】(大人)800円(中高生)600円(小学生)400円
※特別ご開帳 (大人)1,600円(中高生)1,200円(小学生)800円
【拝観時間】8:30〜16:00
【御朱印】300円
【ご利益】災難除け・所願成就
中千本周辺の見どころ
中千本は、下千本と上千本のシロヤマザクラを楽しむこともできる吉野山最大の絶景スポット
といっても過言ではないでしょう。
歩行者天国の中心地でもあるため
飲食店やお土産屋さんも一番多く立ち並んでいます。
中千本から上千本まで徒歩で向かう場合、片道30分以上はかかるので
ランチや軽食をとるなら中千本がオススメかもしれませんね。
それでは、中千本周辺の見どころを一緒にみていきましょう。
廃仏毀釈を逃れた吉野屈指の景観スポット
本来は、役行者が創建した修験宗の僧坊(僧侶の居住する場所)であった『吉水神社』
当社の堺内を入ってすぐの展望所からは、中千本と上千本の桜を一望できます。
前述の通り、すべての桜は蔵王権現への信仰の対象としたご神木ですね。
豊臣秀吉が行った吉野の花見の際には、当社を本陣としていたそうで
まさしく「一目千本」を体現した吉野山屈指の景観スポットといえるでしょう🌸
ご祭神は
●第96代後醍醐(ごだいご)天皇
●楠木正成公(くすのきまさしげ)
●吉水院宗信法印公(そうしんほういん)
以上、三柱の神様。
後醍醐天皇は、南北朝時代における南朝側の初代天皇でもあります。
逃れた先が吉野(吉野朝廷)であったことから当神社でも主祭神として祀られているのでしょう。
日本史上最大の軍事的天才と評された楠木正成と「吉水院(現吉水神社)」の住職であった宗信法印は
共に後醍醐天皇を擁護(ようご)した人物です。
吉水神社は、僧坊から後醍醐天皇を祀る神社へと改めたことで
明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)を逃れました。
神社の参拝方法といえば「二礼二拍手一礼」が一般的ですが
当社の参拝方法は「二礼十七拍手一礼」です(笑)
※四拍手○四拍手○四拍手○四拍手○一拍手のタイミングで拝む
宇宙の中心である天之御中主神(アメノミナカヌシ)を始めとする
十七柱の神様に感謝を述べるといった信仰の形なんだと思います。
ちなみに吉水神社をさらに北へ登ったところにある「勝手神社」の本殿は、2001年に焼失。
ご祭神の天忍穂耳命(アメノオシホミミ)を始めとする神様も当社に仮遷座されています。
アメノオシホミミの名義である「正勝吾勝勝速日」は、スサノオの勝ち名乗り。
以上の理由から勝手神社は、勝利の神社としても有名ですから
当社を訪れた際は、ぜひ合わせて参拝してみてはいかがでしょうか?
吉野の名産と桜が楽しめるお食事処
静御前が源義経と別れ、京へ向かう際に舞を踊ったと伝わる「勝手神社」
今回は、神社の目の前にあるお食事処『静亭』さんでランチを頂きました。
小麦粉に吉野の葛粉(くずこ)を練り込んだ葛うどんや自家製の柿の葉寿司など
吉野(奈良)の名産を楽しむことができます。
葛うどんは初めて食べましたが、なめらかな細麺のあんかけうどん
といった感じで美味しかったですね。
もちろん、葛粉を使ったスイーツも豊富に揃っていましたよ🎵
ちなみに静亭さんの店内からも、中千本の景観が拝見できます。
特に窓際の席は、桜や山々姿を一望できる特等席でしたよ。
中千本以降はお店の数が極端に減ってしまうので、上千本に登る前はランチや軽食休憩をオススメします。
静亭さんでゆっくり休憩をとって、鋭気を養ってみてはいかがでしょうか?
上千本周辺の見どころ
標高約600m、4月中旬から下旬にかけて見頃を迎える上千本🌸
眼下に中千本や下千本のシロヤマザクラ、そして吉野の町並みを一望できる絶景スポットです。
写真でお分かり頂けるかわかりませんが、道中は相当急な上り坂。
整備こそされていますが、山登りに挑むくらいの覚悟でいた方が良いかもしれません(笑)
中千本から上千本までの道のりは、歩行者天国ではなくなります。
狭い幅を多くの車が通ってくるので、注意しながら歩くようにしましょう。
竹林院前のバス停を過ぎた辺りから、展望台までは飲食店がほとんどありません。
急な上り坂を20〜30分近く歩かなければならないので
目の付いた売店で、少し軽食やドリンクなどを買っておくと良いと思います。
上千本の展望台まで登る途中にも、休憩できるようなスペースはたくさんありました。
シンドくなったら無理をせずに休憩を取って、ゆっくり登るようにしましょう。
子授かりで有名な吉野川の守護神
上千本の展望台を少し登ったところにある『吉野水分(よしのみくまり)神社』
創建はわかっていませんが、古くは「続日本記」にも記述が見られることから
奈良時代以降には、信仰を集めていた古社だと思われます。
主祭神の天之水分大神(アメノミクマリ)は、川を司る水配りの神様。
本来は、吉野山の最深部に鎮座しており
吉野川を始めとする多くの川の守護神だったそうです。
みまくり→みこもりとナマッた経由から
平安時代中期以降は、御子守り・子授かりの神様としても信仰を集めました。
豊臣秀吉を始めとする多くの権力者が子を授かったという伝承も相まって
現在でも多くの崇敬者が参拝に訪れるそうです。
まさに秘境の神社といった感じの厳(おごそ)かな雰囲気が漂うパワースポット🌿
上千本までたどり着いたなら、もうちょっとだけ頑張って
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
ちなみに上千本から奥千本までは、さらに険しい道を30分近く歩かなければなりません。
筆者は帰り道のことを考え、断念しました(笑)
体力に自信がある方は、ぜひ奥千本の景色も楽しんできて下さいね。
※竹林院前から、ケーブルバスを利用するのも手かもしれません。