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【神社の不思議】なぜ鳥居には色んな形式が存在しているのか?

鳥居アイキャッチ

こんにちは!

あーすブログの筆者で、神社入門ガイドのyoshikiです🌏

 

神社参拝に行くと、入口には必ずと言ってよいほど、鳥居が立っていますよね。

それこそ、はじめて訪れる神社では、目印になって助かりますが(笑)

実際、鳥居は「ここには神社があるぞ!」という威厳(いげん)を保つ目的⛩

さらには、神様の世界と人間の世界を分け隔てる結界のような役割も果たしています。

 

つまり、鳥居をくぐることは、日常生活で知らず知らずに溜まった自身の罪やケガレを清浄し🚿

神様へ挨拶に行く前に、身だしなみを整える場所でもあるのです。

 

そんな神社にとって、重要な役割を持つ鳥居には、なぜか色んな形が存在していますよね?

今回は『なぜ鳥居には色んな形式が存在しているのか?』についてわかりやすく解説したいと思います。

鳥居の種類を知ることで、参拝する神社がどんな神様なのかを理解できて面白いので、よかったら最後までご覧くださいね😌

 

 

鳥居に色んな形式が存在する理由

色んな鳥居

鳥居の形式は、大きく二種類に分類することができます。

それが"神明(しんめい)系"の鳥居と"明神(みょうじん)系"の鳥居⛩

個性的な形をした鳥居も、神明系か明神系、どちらかの鳥居を基盤にして作られています。

 

神明系鳥居は、皇祖神"アマテラス"に関係する神社に多く見られる鳥居🌞

歴代天皇が祀られている神宮や天の神様(天津神)を祀った神社にも、神明系の鳥居が立っていることが多いです。

神明系鳥居は、インド仏教や儒教(じゅきょう)・アカ族の村の門など、海外に起源を求める説もありますが、はっきりしたことはわかっていません🤔

ただ、社殿が建てられる以前から存在しており、古代の信仰形態の一つということは間違いないでしょう。

 

明神系鳥居は、神明系よりも新しく建てられたもので、仏教建築の影響が大きく反映されていると考えられています。

元々、地域を守っていた氏神(国津神)菅原道真徳川家康のように神格化された偉人は、明神系の鳥居であることが多いですね🗡

さらに、平安時代以降に"神仏習合(神道と仏教の融合)"の影響を大きく受けていた神社も、明神系鳥居に変更されている可能性があります。

 

といった感じで、鳥居の代表的な形式は、神明鳥居と明神鳥居の二種類⛩

神明鳥居はアマテラス関係の神様が多く、明神鳥居は氏神や仏教の影響を大きく受けているものが大半ということでした。

ここからは、そんな神明鳥居と明神鳥居の構造について、わかりやすくお話していきます。

 

神明系鳥居の構造

神明鳥居

神明系鳥居の構造は、古代の信仰形態であったことから、すっごくシンプル✨

最上部を「笠木(かさぎ)」、その下部を「貫(ぬき)」と呼び、それぞれが一本ずつで成り立っています。

ほとんどの貫は、縦の「柱(はしら)」を突き出ないものが多いですね。

神明鳥居に関しては、笠木・貫・柱がすべて丸くなっているのも特徴といえるでしょう。

伊勢鳥居

ちなみに"伊勢神宮"の鳥居は『伊勢鳥居』と呼びますが、一見すると神明鳥居と変わらない構造に感じます。

しかし、よーく見ると「笠木」が五角形、「貫」は四角形で作られているのがおわかり頂けるでしょうか?

このように、神明系鳥居の中でも、独自の特徴を持つ鳥居が存在します😌

黒木鳥居

神明系鳥居の中でも、「笠木・貫・柱」を丸太材で構成した超シンプルな鳥居『黒木鳥居』と呼びます。

この黒木鳥居は、木の皮を剥がさず組み立てた原始的な構造で、日本最古の鳥居としても有名😳

現在では、京都の"皇大(こうだい)神社"と"野宮(ののみや)神社"の二社にしか存在しない、とても貴重な鳥居です。

 

明神系鳥居の構造

明神鳥居

明神系鳥居は、仏教建築の影響を大きく受けており、神明系の鳥居より複雑な構造をしているものが多いです。

最上部は「笠木」「島木(しまぎ)」二重構造になっていますね⚙️

「貫」も神明系鳥居と違い、「柱」を突き出ているのが特徴(中山鳥居など一部例外を除く)

また、真ん中には「額束(がくつか)」を取り付けられていることが多く、社名や神名が記されている場合もあります。

両部鳥居

明神鳥居とほとんど変わりませんが、「島木」の下に輪っかが付いているものを『台輪(だいわ)鳥居』

台輪鳥居の構造に「控柱(ひかえばしら)」と呼ばれる補助が付いているものを『両部(りょうぶ)鳥居』と呼びます。

控柱は、海や湖の波から鳥居を支える役割を担っていたと考えられ、両部鳥居がある神社は、本来水辺に面していたのかもしれません🌊

山王鳥居

"日吉(ひよし)大社"系列の神社に見られる、明神鳥居の上に山のような形の装飾が取り付けられたものを『山王(さんのう)鳥居』と呼びます。

その姿は、まるで人の手が合掌しているように見えることから『合掌鳥居』とも呼び、神仏の習合を意味しているそう🙏

日吉大社は、古くから"比叡山延暦寺(えんりゃくじ)"の守護神として信仰されており、その特色が鳥居にも表現されているのでしょう。

 

まとめ

まとめ

教祖や教義などが存在しない神社は、様々な文明の良い所をうまく取り入れながら、現在の信仰形態に至りました。

鳥居は、そんな神社の歴史や神様の物語を伝える存在でもあるのです📚

 

例えば、神明系の伊勢鳥居は、最高神アマテラスを祀る神社であることが容易に判断できますし☀️

黒木鳥居のある皇大神社は、アマテラスの八咫鏡(やたのかがみ)を祀っていた元伊勢神社。

野宮神社に関しては、伊勢神宮に仕える斎王(さいおう)が身を清める場所であったとされ、皇族と関係の深い神社だということが窺(うかが)えます。

 

明神系の台輪鳥居は、稲荷(いなり)系神社に良く見られる形式で、秦氏(はたうじ)など渡来人の信仰があったこと🏝

両部鳥居は別称で権現(ごんげん)鳥居と呼びますが、権現には仏や菩薩(ぼさつ)の仮の姿という意味があり、仏教の神様と習合していたことが考えられます。

山王鳥居も、山王権現と呼ばれていたように、山の神と延暦寺の菩薩が習合したものだと想定できますね⛰

 

新しい知識を学んだ後は、世界の見方が変わる。

なんてことも、あると思います😌

普段何気なく通っている鳥居を観察すれば、人生を変えるような面白い発見が見つかるかもしれません。

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