あーすブログ

あーすブログ

『神社参拝×観光情報』"自然に学ぶ"をもっと近くに。

【学校じゃ学べない】最古の歴史書『古事記』と『日本書記』について

最古の歴史書アイキャッチ

こんにちは!

あーすブログの筆者で、神社入門ガイドのyoshikiです🌏

 

神社を参拝すると、様々な伝承や由来を見る機会がありますよね?

そんな神社の伝承や由来に大きく関係しているのが、『古事記(こじき)』や『日本書記(にほんしょき)』と呼ばれる書物です。

 

一般的に『古事記』や『日本書記』は、"神話が描かれた空想上のお話"という印象をお持ちの方も多いでしょう。

しかし、そんな書物が、実は「日本で最初にまとめられた歴史書である」と聞けば、ちょっと興味がわいてきませんか?

つまり、学生の頃に一生懸命勉強した(私はしてないけどw)日本の歴史のはじまりが、『古事記』や『日本書記』ということなのです。

 

最古の歴史書であるならば、歴史好きな方はもちろん、日本人として少しは理解したいと思いますよね。

ただ、1,300年以上も前にまとめられた歴史書だけあって、不合理でつじつまが合わない物語も多く、私は序盤から心が折れました(笑)

 

そこで今回は、学校じゃ学べない最古の歴史書古事記』と『日本書記』について、わかりやすく解説したいと思います。

日本神話と日本の政策は、非常に大きく関係していて結構面白いので、よかったら最後まで読んでみて下さいね✨

 

 

古事記』ってどんな歴史書

多賀大社

古事記(こじき)』は、今から1,300年以上前の712年にまとめられた日本最古の歴史書です。

全3巻で構成されており、上巻では天地のはじまりから天の神が日本を統治するまでのお話。

中巻では、天津神の子孫として、奈良地方の豪族を制圧した初代"神武(じんむ)天皇"から八幡神で知られる15第"応神(おうじん)天皇"までの物語。

そして、下巻には第16第"仁徳(にんとく)天皇"から第33代"推古(すいこ)天皇"までの歴史が記述されています📖

 

古事記』の編纂(へんさん)を命じた第40代"天武(てんむ)天皇"は、序文で

「諸家が伝えている皇室の系図や古い伝承には、正実を違えて多く虚偽を加えている」と説いていました。

つまり、地方のでたらめな伝承をかき消して、天皇(ヤマト朝廷)の正しい伝承に書き換えろ!と命じているのです(笑)

 

天武天皇は、各地の豪族たちを取りまとめ、天皇を頂点とする国家の支配を目指していました。

古事記』での神武天皇の記述が正しければ、天皇家は太陽神アマテラスの子孫(神の子)ということになりますね🌅

ですから『古事記』は、ヤマト朝廷による中央集権の正当性を証明する目的で、国内向けにまとめられた歴史書であったとも考えられるわけです。

 

『日本書記』はどんな歴史書

近江神宮

『日本書記(にほんしょき)』は、古事記の編纂から8年後の720年に完成したと伝わる歴史書です。

神代(じんだい)巻にはじまり、初代"神武(じんむ)天皇"から第41代"持統(じとう)天皇"までの全30巻で構成📚

国の成り立ちや神様の名称に多少の変更はありますが、大筋の内容は『古事記』とほぼ同じです。

 

古事記』と異なる点は、大和言葉(日本語)ではなく、奈良時代国際言語であった漢文(外国語)で書かれているという点。

そして、出来事にはきちんと年号が付けられ、すべての記事には日にちが記されているという点です。

古事記』には年号がありませんから、史書としての完成度は『日本書記』の方が高いといえますね。

 

『日本書記』の編纂を命じたのは、『古事記』と同じく天武天皇で、古事記と同様に法令や国家の歴史を示す目的があったと思われます。

ただし『日本書記』は、唐(中国)・新羅(朝鮮半島)を中心とするアジア諸国に向けて、日本国という存在を知らしめるためのもの。

つまり、外国人向けにまとめられた歴史書であったことが考えられます。

 

古事記』と『日本神話』の違い(まとめ)

伊勢神宮大鳥居

ということで、最古の歴史書である『古事記』と『日本書記』について解説していきました。

簡単にまとめると古事記』は日本人向け、『日本書記』は海外の人に向けて、国家の歴史を伝える目的で編纂された歴史書と考えらえます。

ですから、『古事記』は大和言葉(日本語)、『日本書記』は漢文(外国語)で記述されているのでしょう。

 

ちなみに『古事記』は、国津神の代表的な存在であった出雲神話を重視し、出雲族(国内豪族)への配慮がみられること。

逆に『日本書記』では、寺院の起源や朝鮮半島の記録などを使って、海外との交流を伝えていることも特徴として挙げられます。

両書の記述を補い合い読むことで、日本神話や歴史の理解は、さらに深まるのではないでしょうか🍀

 

日本人のルーツを知るということ

日本人のルーツ

日本は、663年に親交関係にあった朝鮮半島百済(くだら)から救援を求められ、唐・新羅の連合軍と戦闘⚔️

これを「白村江(はくすきのえ)の戦い」といいます。

約5万人を超える大軍を送り込みますが、日本・百済の連合軍は、この戦いで大敗を喫(きっ)してしまいました。

敗北した軍のほとんどは、西日本を支配する豪族であったことから、朝廷(は急いで天皇を中心とする国家体制を整えようとします。

唐・新羅に侵略されないよう「日本は独立した国家だ」ということを、中国やアジア諸国へ知らしめる必要があったのでしょう。

 

"大王"は"天皇"・"倭(やまと)"は"日本"へと変更され、中央集権化が進むと、地域の伝承は書き換えられたり、もみ消されてしまいます。

しかし、最後まで中央権力に支配されなかったアイヌ琉球民族には、独自色の強い神話が存在し🧞

出雲国のように代表的な豪族が住んでいた土地の伝承も、『風土記(ふどき)』などの書物で残されています。

 

つまり、『古事記』や『日本書記』に書かれている歴史と異なるから、間違った伝承であるとも限らないわけですね。

最古の歴史書が日本神話の全てじゃないから、神社を巡り、その神社に伝わる物語を学ぶのが楽しくなるのです。

 

しかし、残念なことに日本の教科書には日本神話がほとんど登場しません。

占領政策の影響で、ギリシャ神話の"ゼウス"は知ってるけど、日本神話の"アマテラス"は知らないという学生も多いのです。

ですから神道は、一般的に取っつきにくいイメージがあるのではないでしょうか?

 

日本人としてのルーツや祖先の考え方を伝えていくためにも

日本史の教科書では、まず日本神話からしっかり教えるべきだと思います。

当記事が、日本神話の重要性や神社参拝の面白さを知って頂く機会になれば、嬉しいですね✨

プライバシーポリシー お問い合わせ