【福知山観光】元伊勢の伝承地『皇大神社(元伊勢三社)』の見どころを徹底解説
こんにちは!神社入門ガイドのyoshikiです🌏
観光スポットで神社を巡っていると
「元伊勢伝承地」として有名な場所を
訪れる機会があるかもしれません。
この元伊勢というのは日本国民の総氏神とされる『伊勢神宮』の神様が一時的に祀られていた場所を指しています。
伊勢神宮の本殿には、皇祖神アマテラスのご神体である
八咫鏡(やたのかかみ)が祀られている!
ということをご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、八咫鏡(アマテラス)は、元々宮中(皇室)内に祀られており
現在の伊勢神宮に鎮座するまでの約90年間
二人の皇女の活躍によって、様々な神社へ遷座(せんざ)されたのです。
そんな元伊勢を名乗る神社は
関西を中心に、なんと60箇所以上も存在するそうですよ。
そこで今回は、元伊勢伝承地の一つとして有名なパワースポット
京都府福知山市の『皇大神社(元伊勢三社)』の見どころを徹底解説☝️
「京都で穴場の観光スポットを知りたい!自然のパワースポットを教えて!神社の知識を身に付けたい!」
という方に神社入門ガイドである筆者が、わかりやすくご案内していきます。
当地を訪れた時に素敵な思い出を作れるよう、ぜひ一緒に学んでいきましょう✨
豊受大神社(元伊勢外宮)
『豊受(とゆけ)大神宮』から一緒に参拝を行いましょう。
衣食住を始めとした産業の総氏神で
当地では、宇宙の創造神である天之御中主神(アメノミナカヌシ)と
同一神とされる神様です。
※一説では、アマテラスより力のある神様とも言われています。
相殿神として
●邇邇藝命(ニニギ)ーアマテラスの孫で葦原中国(日本)を平定した神様
●天児屋命(アメノコヤネ)ー藤原氏の祖神で祝詞(のりと)を司る神様
●天太玉命(フトダマ)ー忌部(いんべ)氏の祖神で占いを司る神様
も祀られていました。
なんだか凄い力を持った神様なんだね!
昔の人にとって自然と食べ物にはそれだけ深い関係性があったんだね
伝承によれば、当社にアマテラスが4年間滞在している間
一緒に祀られていたのが、丹波国の『比沼麻奈為(ひぬまない)神社』から
そして、アマテラスが今の伊勢神宮に鎮座した際
「私の食事係として、トヨウケビメを呼んで欲しい!」
という夢託を受けて、伊勢神宮外宮の地に遷されたのが
当社に祀られていたトヨウケビメです。
へー神社にも色んな歴史的背景があるんだね!
それにしてもなんで今回豊受大神社から参拝したの?
一様伊勢神宮には正式な参拝方法があるからだよ!
例えば、その年に採れた新米の収穫を感謝する"神嘗(かんなめ)祭"など
伊勢神宮のお祭りは、必ず外宮→内宮の順番で執り行われます。
トヨウケビメは、内宮のご祭神アマテラスのお食事係だから
まず外宮から祭祀を行っているわけですね🍽
外宮→内宮の順番が、伊勢神宮や元伊勢の一般参拝でも
正式な参拝方法と言われるようになったのでしょう。
ぶっちゃけ筆者的には、しっかり神様へ感謝の気持ちを伝えることが出来れば
どの神社から参拝してもオッケーだと思っています(笑)
一様、今回は私が参拝した順番通りに記事を書いていますが
皆様は、自分の好きなルートで参拝してみて下さい😌
本殿を取り囲む41社の神様
豊受大神社の見どころは、やはり堺内に祀られた摂社・末社の数ではないでしょうか?
多賀神社(アマテラスの両親)や月読宮(アマテラスの弟)など
伊勢神宮に関係する神社を中心として、なんと41社に神様が祀られているのです。
こんなにたくさん社殿があるのは見たことないかも!
ここまで摂社・末社がある神社は確かに珍しいよね(笑)それだけ古くから多くの崇敬者に支えられていたんだろうね。
ちなみに37ある末社は、社家(氏族)がそれぞれ一社ずつを祀っていたそうで
丹波国の主要神社として、厚い信仰のあった神社だということが伺えますね。
龍神伝説が伝わる二本のご神木
本殿の裏側にそびえ立つ二本の大きなご神木にも、ぜひご注目頂きたいです🌲
●龍燈のスギー節分の深夜に龍神が燈火を灯すと伝わるご神木
●龍登のヒノキー龍神が天へと駆け登るようにそびえ立つご神木
どちらも、樹齢は1,500年を優に超えるとされる大木で
龍燈のスギは、黒龍さん(黒い色のスギだから)
龍登のヒノキは、白龍さん(白い色のヒノキだから)
として親しまれているそうです🐉
なんで大きな木が龍神として祀られているの?
古くからご神木は神様が宿る神域と考えられていたからだよ
龍神は、気候や海・池の流れを司る存在として重要視されていました。
特に節分の夜は、旧暦(月の満ち欠けを基準にした歳月)でいう
大晦日から新年へ移り変わる一年の終わりと始まりですから
自然災害が起きないよう、丁重に祈願されていたのでしょう。
ちなみに、元伊勢内宮にも同様の龍神伝説が存在しますので
よかったらチェックしてみて下さいね。
皇大神社(元伊勢内宮)
第10代崇神(すじん)天皇の皇女"豊鍬入(とよすきいり)姫命"により
4年間アマテラスのご神体(八咫鏡)を祀っていたと伝わる
伊勢神宮の元宮の一つが『皇大(こうだい)神社』です。
●天照皇大神(アマテラス)
太陽を司る高天原(天界)の最高神で、皇室の祖神・国民の総氏神。
国産み・神産み神話で知られるイザナギとイザナミが最後に産み落とした三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)の長女で
イザナギが生んだ諸神の中でも、最も貴(とうと)いとされる神様です。
国土安泰・五穀豊穣・生命力向上などのご利益で、全国的に信仰を集めています。
脇宮の左殿には
●天手力雄命(アメノタヂカラオ)ーアマテラスが岩屋へ隠れた際に戸を開いた大力の神様
●栲幡千千(たくはたちぢひめ)姫ーアマテラスの孫である天孫ニニギの母親で織物の神様
が祀られていました。
天界で一番の神様は太陽の神様なんだね!
作物の成長に太陽は欠かせないからね。昔の人にとってそれだけ絶対的な存在だったんだろうね
ずっと祀られていたわけじゃないんでしょ?
伝承では当地で四年間祀られていたそうだよ。だから元伊勢と呼ばれているんだね
冒頭でも少し触れたように、アマテラスの巡行は宮中から
伊勢の地に鎮座するまでの約90年間。
豊鋤入姫と第11代垂仁天皇の第四皇女"倭姫(やまとひめ)命"によって
各地を渡り歩いたと伝わります。
なんでアマテラスを移動させる必要があったの?
それは太陽が感謝の対象だけでなく恐怖の対象でもあったからだよ
はじめて日本全土を統治したとされる崇神天皇の時代は
疫病や反乱などの災厄が多発して
人口の半分以上が亡くなったと綴られています。
そして、その原因はアマテラスを別の神様と同等の扱いで祀っていたこと
天界の最高神をぞんざいに扱ったことによる祟りだと解釈されたわけですね。
だから、二人の皇女は全国各地を巡行して
アマテラスの怒りが静まる聖地を探していたのかもしれません。
太陽は、たしかに多くの恵みをもたらしてくれます。
しかし、干ばつが繰り返されれば、作物は育たず
多くの病気が流行してしまうでしょう。
太陽神アマテラスは、私たちを照らしてくれる絶対的な存在でありながら
時として、自然災害をもたらす祟り神としての一面も持ち合わせているのです。
元伊勢を巡れば、当たり前だと感じている自然の大切さを
再確認することができるかもしれません🌿
80余りの小宮と八方除
皇大神社の見どころは、何と言っても本殿の前後左右を囲む
アマテラスゆかりの摂社や全国一宮などの社殿で
その数は、なんと80余りにも及ぶそうです。
凄い!豊受大神社の倍くらいお宮があるんだね!全部お参りできるかな...
全部をお参りするのは大変だから祈願したい社殿だけでも良いと思うよ(^^)でも感謝を伝えたいという気持ちは大事にしたいね
ちなみに本殿を取り囲むように祀られた小宮の配置は
八方除けの信仰が関係しているようです。
八方塞がりといえば、いわゆる全ての方角に障害があり
何も行えない状態のことを表していますよね。
(陰陽道でいう鬼門と裏鬼門の年)
八方除けは、そんなあらゆる方角へ降りかかる災難から
身を守ってくれるご神徳のことです。
太陽神へ日頃の感謝の気持ちを伝えるのはもちろんのこと
「最近、何をやっても上手くいかないなぁ...」という方は
穢(けが)れや災厄祓いを目的に当社を訪れてみるもの良いかもしれません。
日本最古の建築様式
皇大神社を訪れたら、どんな神様が祀られているか?だけでなく
ぜひ、建物様式にも注目して頂きたい。
特に本殿の建築様式は
伊勢神宮と同じく茅葺(かやぶ)き屋根の神明造(しんめいづくり)で
全国的にみても、非常に少ない古典的な建築様式です。
神明造の歴史は定かではありませんが
弥生時代の遺跡の柱と構造が似ていることから
弥生時代の高床式倉庫が発展したものと考えられているようですね。
「神社の建築様式をもっと詳しく知りたいよ!」という方は
コチラの記事にて詳しく解説しております⬇️⬇️⬇️
さらに皇大神社の鳥居は、黒木鳥居といって
これまた珍しい鳥居形式なのです⛩
画像からもお分かり頂けるように黒木鳥居は
樹皮のついたままの丸太材を組み合わせただけ(笑)
非常にシンプルな鳥居と言えるでしょう。
そのシンプルさが物語っているように
黒木鳥居は、日本最古の鳥居形式と言われています。
実際に現在でも黒木鳥居が使われている神社は
そして京都府嵯峨野にある『野宮(ののみや)神社』
以上、三社だけとなっております。
神社の建築様式からも、歴史の長さを感じ取れますよね。
ぜひ、当社を参拝される際は神社建築にも注目してみて下さい✨
日室ヶ嶽遥拝所
「自然のパワースポットをもっと知りたい!」という自然好きの方
おまたせ致しました(笑)
当社では、本殿を参拝したからといって
それで終わり!
....ではありません。
元伊勢内宮の堺内を出て、さらに山手へと登っていったところには
『日室ヶ嶽(ひむろがたけ)遥拝所』というパワースポットがあるんです🏞
当社の伝承によれば、アマテラスが降臨したと伝わる神体山で
皇大神社は元々、その山頂に祀られていたとも言われていますね。
ちなみに山の一部は神域のため、現在でも立入禁止⚠️
遥拝所では「一つのことを強く想えば願いが叶う」とする
一願成就の信仰が今なお残されています。
ぜひ、自分の内なる想いを神体山へブチまけてみてはいかがでしょうか(笑)
山にお参りするなんて何だか不思議な感覚だね!
木や岩や滝など山そのものは神様が宿る場所。そんな自然信仰が今でも大事に受け継がれているんだね
ちなみに、日の出から日の入りまでが最も長い夏至の日(6月21日頃)には
太陽が日室ヶ嶽の頂上に沈むという神秘的な光景を拝見できるそうですよ。
逆に昼の時間が最も短い冬至の日(12月21日頃)の太陽は
鬼伝説で有名な大江山から元伊勢内宮→伊勢神宮が一直線で結ばれる
レイラインのパワースポットでもあります。
上記の伝承からも、太陽信仰をかなり重要視していた場所
ということが伺えますね☀️
天岩戸神社
日室ヶ嶽遥拝所からさらに15分ほど歩みを進めた
日室ヶ嶽(または岩戸山とも呼ぶ)の山麓には
皇大神社奥宮と伝わる『天岩戸(あまのいわと)神社』があります。
えっ?岩の上に神社があるけど...どーやってお参りするの?
手前の鎖をよじ登ってお参りするんだよ(笑)滑りやすいから気を付けてね!
参道も急な階段が続くので、ホントにご無理はされないように...。
当社の入り口からも遥拝できる場所がありますし
十二分に景色を楽しむことができますよ🍀
宮川の透き通るような渓流と巨大な岩に囲まれた社殿の裏には
天から降りたった神々が座った場所と伝わる磐座(いわくら)があり
まさしく聖地と呼ぶに相応しいパワースポットではないでしょうか。
ご祭神は
●櫛石窓(くしいわまど)神
●豊岩窓(とよいわまど)神
の二柱の神様。
別称を天石門別(あまのいわとわけ)命とも呼び
その実体については、様々な説が存在する不思議な神様です。
ただ当社においては、アマテラスが隠れた天岩戸を
神格化した神様が祀られていると考えて良いでしょう。
なんでアマテラスは岩の中に隠れちゃったんだろう?
弟の悪行にショックを受けたからという神話が有名だね
アマテラスの弟であるスサノオは、海を表した祟り神とされており
高天原でも様々なイタズラを仕掛け、神々たちを困らせていました。
そして、ついに機織りの娘をあやめてしまうのです。
(その機織りの娘が、アマテラスの妹"稚日女(ワカヒルメ)命"だったという説も存在)
さすがのアマテラスもスサノオの行いにショックを受けて
大きな岩の扉が付いた洞窟へ身を隠してしまうのでした。
アマテラスが岩隠れした影響により
葦原中国(地上の世界)は暗闇に包まれてしまった...。
というのが、天岩戸伝説の物語で
もちろん、当地も天岩戸伝説の舞台地と伝わる場所の一つです。
太陽がなくなると、地上の世界が暗闇に襲われてしまうという展開からも
アマテラスが恐怖の対象であったことが伺えますよね。
ちなみに、そんなアマテラスが隠れた岩の扉をこじ開けたのが
元伊勢三社は、神様のご神徳を頂ける場所であり
自然の神秘や神社の歴史にも触れパワースポットでした。
ぜひ、福知山を観光された際は元伊勢三社へ立ち寄ってみて下さいね🐉