【神宮・大社・神社とは?】社号の違いをわかりやすく解説
こんにちは!
『◯◯神宮』や『◯◯大社』など、神社で名称が違うのって不思議じゃないですか?
神宮・大社・神社などの名称は、"社号"と呼び、元々は社格(神社の格式)によって決められていました。
つまり、神社にランキングを付けて、呼び方を変えていたわけですね🤔
太平洋戦争に敗北し、社格制度が廃止された現在では、神社の名称は自由に決めることができます。
※ただし、神社本庁配下の神社を除く
それでも古くから存在する神社は、ランキングごとに名称が決められていたわけですから
神社の社号を理解すると「どんな神様が祀られているのか?」をある程度把握できて、面白かったりします。
今回は、そんな社号の違いをわかりやすく解説したいと思います。
神宮・大社・神社など、名称の起源を知りたい方は、ぜひ最後までご覧下さい✨
『神宮』はどんな社号?
皇室の祖先神や国譲りで重要な役割を果たした神様のみに与えられた社号が『神宮(じんぐう)』です。
神宮という社号は元々、最高神を祀る"伊勢(いせ)神宮"固有の名称であったため、天皇の命令がなれれば『神宮』を名乗ることはできませんでした。
神宮はそれだけ特別な社号だったんですね😳
日本書記で『神宮』と記載されているのは「伊勢神宮、石上(いそのかみ)神宮、出雲(いずも)大神宮(出雲大社)」のみ。
平安時代に社格が定められた際は「伊勢大神宮(内宮)、鹿島(かしま)神宮、香取(かとり)神宮」のみ『神宮』を名乗ることができました。
ちなみに『宮(みや・ぐう)』という社号も存在しますが、これは神宮とは若干異なりまして☝️
神宮と同じように皇族と関係の深い神様だけでなく、歴史上で重要な役割を果たした人物も祀られています。
徳川家康を祀った"東照宮(とうしょうぐう)"や菅原道真を祀った"天満宮(てんまんぐう)"
応神天皇を祀った"八幡宮(はちまんぐう)"なんかが、有名ですよね。
『宮』は、すべてを治める建物という意味の"御屋(みや)"が語源となっている説が有力で、神宮や大社に次いで、重要視されていた社号のようです。
『大社』はどんな社号?
『大社(たいしゃ・おおやしろ)』というのは元々、国造りの神様オオクニヌシを祀る"出雲大社"のみに与えられていた社号です。
日本神話でも多大な功績を残しているように、ヤマト朝廷にとって重要な豪族であったことから、特別視されていた神社なのでしょう。
他の神社が『大社』を名乗るようになったのは、社格制度が廃止された戦後のことでした。
現在では、朝廷から特別の奉幣(ほうへい)受けた"二十二社"という社格の神社、もしくは全国的に崇敬を集めていた神社などで『大社』が使われています。
二十二社には、奈良の"春日(かすが)大社"や大阪の"住吉(すみよし)大社"
全国的に崇敬を集めていた神社には、滋賀の"多賀(たが)大社"や福岡の"宗像(むなかた)大社"などが挙げられますね。
「◯◯国 一之宮」と謳(うた)われるような、地域を代表する神社は『大社』を名乗っていることが多いようです😌
『神社』はどんな社号?
皇室や氏族の祖神、自然や土地の神様、偉人や義士の御霊など、様々な神様を祀るのが『神社(じんじゃ・かむやしろ)』という社号⛩
日本各地に10万社以上ある中でも、最も一般的なのが、『神社』という社号になります。
町や村にある規模の小さいものには『社(やしろ)』という社号が付けられることも多いですね。
『社』の語源は、"屋代"であるという説が有力で、"屋"は建物を表し、"代"は苗を育てる場所である苗代(なえしろ)を表しているそう🌱
つまり、神社は「神の苗を育てる建物」ということになります。
元々、神社には社殿が存在していませんでした。
ご神木や磐座(いわくら)に神様を呼び寄せるための祭殿(さいでん)が、仏教伝来による影響を受け、今の形へと変化していったのです。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)や自然の恵みに感謝を伝えるお祭りの様子が、『神社(神の屋代)』という社号に表現されているのでしょう🙏
神道を知るということは、えも言えれぬ美しさを知るということです。
古きをたずねて新しきを知る"温故知新(おんこちしん)"の精神は、意外と身近な場所から得られるのかもしれませんね。